シンセティック・ストーンとは何か [宝石の価値]


シンセティック・ストーンとは合成石の事です。



合成石は天然石と同じ化学組成と結晶構造をもち、人工的につくられたという事だけ違っています。



宝石の条件とは、美しさ、耐久性、稀少性です。



大量生産できるから、稀少性という点で、合成石天然石に大きく劣っています。



自然の成長過程でつくられる天然石は、美しさのひとつひとつが違います。



これに対して、合成石の仕上がりは色も美しさも均一です。



合成石が手頃なアクセサリーとして売られることは、悪い事ではありません。



合成ルビーでは売れないから、シンセティック・ルビーとして売る。



もしその説明があるなら、これも許される事です。



大事なのは、合成石であると明示される事と、その価値に見合った手頃な価格である事、この二点です。



合成石宝石なのではありません。



また、合成石ニセモノなのでもありません。



天然石=ホンモノ、合成石=ニセモノ、という意味のは本来正しくありません。



天然石は天然石であり、合成石は合成石です。



ダイヤモンドの鑑定は4Cが基本 [ダイヤモンドの価値]

ダイヤモンドは鑑定によって、等級づけされます。



鑑定は、ダイヤモンドの品質を判定する為のものです。



その際に、カラットカットクラリティカラーの四つの項目で評価され、これを4Cとよびます。



カラットは宝石の重さを表す単位で、1カラットは0.2gと決められています。



これは特別の電子天秤を使って量ります。



カットはダイヤモンドの美しさを引き出す重要な要素です。



ダイヤモンドには、特殊なカット形式が施されますが、これは美しさを最大限に引き出すカットだと云われています。



クラリティは、内包物(キズ)の状態で判定されます。



顕微鏡や拡大検査べ、内包物がどの程度あるのか詳しく調べます。



ダイヤモンドの色は無色透明に見えますが、ほんの少し色が着いています。適切な照明の下、いくつかの石との比較によって、はじめて区別がつく程度のもので、23段階に等級づけされます。



宝石の鑑別の仕方 [宝石の性質]

それぞれの宝石は、固有の化学的・物理的性質を持ちます。鑑別の際には、それらが識別の拠り所となります。



鑑別の実際においては、さまざまな器具を用いた科学的方法により、それを知る訳です。



例えば屈折計という器具を使って、その宝石の屈折率を測ります。



ルビー赤いガーネットは見た目、非常に似通っている場合がありますが、両石の屈折率はまったくかけ離れた数値なので、それを測定することによって、容易に区別される訳です。



また、ルビーガーネットの場合は、紫外線をあてると、ルビーは赤色にはっと輝きますが、ガーネットは反応しません。



他にも、カラーフィルターや分光器などを使った検査があり、数種類の確認検査が行われます。



また、顕微鏡を使った拡大検査は常になされます。



内包物や光学的特質を検査することによって、それが天然石であるのかどうか、人工処理がされているかどうかを知る事ができます。



そうして出た結果は、鑑別書に明記され発行されます。



宝石の鑑別と鑑定のちがいとは [宝石の性質]

宝石の鑑別と鑑定では、その目的もちがえば方法もちがいます。



鑑別とは、その宝石の持つ化学的・物理的性質を検査することによって、種類は何であるのか、 天然石なのかどうか、人工的な処理はされているかどうか、を識別する事です。



大雑把に言えば ニセモノとホンモノを区別する検査が鑑別です。



それに対して、鑑定はダイヤモンドにのみに関係します。



それがダイヤモンドであると証明されたら、そのダイヤモンドの評価を、キズの有無(クラリティ)、色の等級(カラー)、プロポーションの減点(カット)及びその石の重量(カラット)等について詳しく検査することによって、等級づけします。



そのダイヤモンドがどの程度良いもなのかを知る、それが鑑定です。



だからこれは価格に対する重要な目安にもなるのです。



鑑別も鑑定も、鑑別鑑定士のライセンスをもった者が行い、そして鑑別は鑑別書として、鑑定は鑑定書として発行されます。



エメラルドの美しいカットと性質 [宝石の性質]

エメラルドには、大抵、エメラルド・カットが施されます。



エメラルドは割れやすい宝石なので、平たい長方形の、四隅が切り取られたカットは、衝撃の強さを和らげ、エメラルドの割れやすいという弱点を、ある程度カバーしています。



また、割れやすいという事は、カットする際に、鋭く複雑なカット面は得られないことを意味します。



エメラルドダイヤモンドのように「輝く」タイプ の宝石ではありません。



ダイヤモンドに比べて、石の内部で光を反射させる力はかなり小さいのです。



だから、カット面をたくさん作って、光をいっぱい反射させようとしても無駄なのです。



むしろ少ないカット面のほうがより理想的だと云えます。



宝石のカットとは、その宝石が本来もつ性質に沿って、その宝石の美しさを最大限に引き出すかたちでなされます。



エメラルド・カットは、割れやすいという欠点をカバーし、エメラルドの美しさを最大限に引き出すカットだと云えます。



ダイヤモンドのもっとも美しいカットとは [ダイヤモンド]

宝石のカットは、それぞれの宝石が本来もつ性質を充分考え、宝石の第一条件である美しさというものを、最大限に引き出すようなかたちでなされます。



なので全てにおいて好ましいカットなんてありません。



けれど、ダイヤモンドに相応しいカットがあって、エメラルドに相応しいカットがあって、オパールに相応しいカットがあるというふうには云えるでしょう。



良質のダイヤモンドにはふつう、ラウンド・ブリリアント・カットというカット形式か施されます。



58面とカット面が多いのが特徴です。



ダイヤモンドの輝きの原因は、光の強い屈折と反射によるものです。



だからこのようにカット面を多くして、いろんな方向から光を入れ、内部でたくさん反射させるのが理想です。



ダイヤモンドの美しさ [ダイヤモンドの性質]

ダイヤモンドの美しさとは、輝きの美しさです。



その輝きの美しさは、いくつかの性質、硬度と屈折率に関係しています。



ダイヤモンドは非常に硬い石です。



石が硬いとシャープなカット面を得ることができます。



宝石に入った光は内部で折れ曲がり、これを屈折と云います。



光は表面で反射するものと、内部で屈折するものとに分かれます。



表面で反射する光の質は宝石表面のカットの質に左右されます。



ダイヤモンドはシャープなカットが可能だから光の反射は強くなります。



内部に入って屈折する光は石内部でも反射します。



シャープなカット面が、屈折光を跳ね返すのです。



これがダイヤモンドの輝きの理由です。



ダイヤモンドは、光をさまざまな色に分解し、それぞれの色の光は、内部反射して、屈折し、虹色の光となって私たちの眼に届くのです。



宝石の硬さや特性について [宝石の性質]

宝石の、ひっかき傷に対する抵抗力を測るものさしとしてモースの硬度計と呼ばれるものがあります。



これは器具ではなく、表です。



モースという鉱物学者の考案したものです。



硬度10のダイヤモンドが傷に対していちばん強い抵抗力をもっています。



次はサファイア(ルビーも含む)です。



サファイアに傷をつけることができるのはダイヤモンドだけです。



ダイヤモンドに傷をつけることのできる他の鉱物はなにもありません。



ですがダイヤモンドは、ある一定の方向に割れやすい、というもろい特性を持っています。



衝撃に弱い方向があるのです。



これに対して、ひすいなどは硬度は7なのに、ダイヤモンドよりは割れにくい。



これは石の内部で結晶が繊維状に集まっていることが原因です。



ダイヤモンドの硬さや抵抗力 [ダイヤモンド]

宝石の耐久性は、一般に硬いという一言で片付けられています。



けれど実際には、光・熱や薬品に対する抵抗力も大事な要素です。



また、一般に云う硬さにしても、そこには割れや欠けに対する抵抗力とひっかきキズに対する抵抗力、この二種類があるのです。



例えば、ダイヤモンドは一般に、硬いと考えられています。



ダイヤモンドをひっかいて、キズをつけることができる他の鉱物は、この世に存在しません。



ダイヤモンドは割れないと思ってしまいがちですが事実はそうでありません。



ダイヤモンドはある一定の方向に衝撃が加わると、簡単に割れてしまうのです。



ですから、硬いと一言で云っても、そこにはひっかきキズに対する抵抗力と、割れや欠けに対する抵抗力の二つかあって、それぞれは違うものだと知っておくことが必要です。



宝石の価値とは希少性 [宝石の価値]

しん宝石とは、稀少性のあるものです。



宝石と呼ばれる物はほとんどが鉱物で、その鉱物は、5000種類近くあるとされています。



しかし宝石鉱物として区別されるのは、わずか50種類余りです。



美しさと耐久性を兼ね合わせた鉱物は、これだけでも宝石の稀少性が窺い知れます。



さらに同じ宝石でも、美しさの差によって、稀少性が変わってきます。



より美しい宝石ほど産出量が少なく、当然、稀少価値はより高くなる訳です。



だから宝石の価値とは、美しさに結びついた稀少性にあると云えます。



この事は、人工的に作り出した合成石の価値と比較すると一目瞭然です。



合成石は大量生産することが可能だからです。



さらに合成石の仕上がりは画一的で、天然宝石がもつ美しさの稀少性をもってはいないという事です。



天然宝石は二つとして同じものはありません。



そしてこの稀少性が、美しさと結びついた時、それが宝石の価値を決めるのです。



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