金粉は体内に影響ないのか? [金の性質]
金粉は食べても大丈夫なのか?
…結論から言うと、金箔は食べても安全です。
金箔は着色料・食品添加物として厚生労働省から正式に認可されています。
金箔は酸化も腐食もしないので食べてもそのまま出てきます。
胃液でも溶けないし、唾液でも全く変質しませんし吸収もされないのです。
微量に含まれる銀も同じく胃酸でも溶けません。
金箔は人間の体内では全く溶けたりしません。
歯科医療で金や銀が使われるのはその為です。
食品でも仁丹の銀などに昔から使われています。
金箔はほんの少量で豪華な演出が出来ますので、お酒・お茶や料理におすすめです。
記念日や晴れの日など、ちょっとゴージャスに食卓を飾りたい時、是非お試し下さい。
金の埋蔵場所は都市にあり? [金の産地]
人類がこれまで強調文に掘り出した金は約14万トン、これから新たに掘れる地下埋蔵量は6~7万トンと言われており、2006年、金鉱山生産量は横ばい~減少と見られています。
金の生産国第一位の南アフリカで年間約3百数十トン。
これに比べ年間1千トン近い金が存在しています。
一体どこに?それは土の中ではなく、都市にあるのです。
答えは加工品に含まれる金です。
装飾品、コンピュータや精密機械の中、その他様々な所に使われた金がリサイクルとなってまた金に戻ります。
金は空気、水など外環境によって一切変質しないのでリサイクルしても全く劣化していない金です。
このリサイクル金が合計量が毎年1千トン近くあるそうで、新たに鉱山から掘るより効率が良いのではないでしょうか。
という理由から埋蔵金は都市にあり、と言うわけです。
金箔の色は何色? [金の価値]
金箔の色ですが、金は金色、これは当たり前ですが、金箔には細かく色んな色味の金色があります。
金箔は金に微量の銀と銅を合金したものを打ち延ばしていますから、銀と銅の含有率によって色んな色を出せるのです。
一般的に作られている金箔の色味を挙げますと、5毛色、1号色、2号色、3号色、4号色、3歩色などがあります。
この他にも梅色(21.68K)、定色(14.12 K)などが作られています。
ちなみに純金58.82%以上からが「金箔」と定められている事から、この色が定色/さだ色と呼ばれます。
銀、銅を合金しない24Kの金箔もあります。
最も多く使われているのが4号色で、仏壇、工芸などに広く使われています。
有名な所では、金閣寺は1号色(5倍厚)、日光東照宮は特殊な3号色(日光色と呼ぶ)で貼られています。
純金箔は純金ではない [金の価値]
金箔の呼び方は色々あります。
純金箔、金箔、本金箔、金沢箔など。
一般的に純金箔という時、皆さん純金の箔で純金箔だと思っていませんか?
これは違うんです。
金箔は色目によって合金配合が色々あります。
つまり金に微量の銀と銅を合金した物が金箔。
だから、純金箔は純な金箔で純金箔と捉えるのが妥当。
なんとも苦しい解釈です。
安い洋金箔(真鍮箔)に対して本当の金使用の箔(純金箔)である事を指して本金箔とも言います。
ですから、厳密に字のごとくの意味で純金箔(純金の箔)は24K金箔のみを指す、と言う事になります。
元来、金箔としておけばいいのに、なぜ純をつけたのでしょう…。
ルネッサンスの天国の門 [金の歴史]
イタリアのフィレンツェに「天国の門」と呼ばれる黄金を施した門があります。
場所はサン・ジャバンニ礼拝堂。
12世紀に建てられたフィレンツェで最も古い礼拝堂です。
同市の守護神ヨハネを祭っており、フィレンツェ市民は皆ここで洗礼を受けています。
14世紀にこの門を修理する事になり、扉に刻む彫刻のコンペが行われました。
このコンペにはギベルティという彫刻家が優勝。
そのギベルティが50年後にもう1つ、扉を作りました。
それが表面を黄金で覆ったこの門でした。
この扉を見たミケランジェロは素晴らしい出来映えに「おお、神々しい作品よ、天国に値する門よ」と言ったとされ、それから「天国の門」と言われるようになりました。
この門はルネッサンスを開いた最初の門とも言われ、その意味でも大きな意味があります。
今では表面の金がかなり剥がれていますがフィレンツェに行けば誰でも見る事が出来ます。
ローマ時代のエジプトの黄金マスク [金の歴史]
「黄金のマスク」と言えば誰でもツタンカー メンのマスクを思い浮かべる事でしょう。
確かに、古代エジプトが栄えた時代の金のマスクは大変立派ですが、実は古代エジプ
ト王朝が滅び、ギリシャ・ローマ全盛の時代にも金のマスクは作られました。
その見事な作品が発見され1999年6月13日エジプト最高考古評議会で披露されました。
この黄金のマスク、エジプト西部のオアシスにあるギリシャ、ローマ時代の巨大墳墓
群を発掘していた時に見付りました。
墳墓の中には約200体のミイラが葬られていましたが、その中に金箔のマスク で顔を覆われたミイラがあったのです。
このミイラは権力者だった事は間違いありませんが、ファラオの王ではありません。
にも関わらず、黄金のマスクを埋葬したあたり、巨大な富の所有者であった事は間違
いありません。
どうやら、当時は王に限らず権力者、大富豪は金に包まれてあの世に旅立ったようで
す。
金のブラジャーの価格とは [金の価値]
イヤリング、ネックレス。
ブレスッレトや金を使った装飾具は色々あります
が、ついに金のブラジャーが現れました。
これは女性下着メーカーと非鉄金属の大手企業が共同で作った物で、直径25ミクロンの24金の糸を使っ
て手縫いで作りあげた物です。
生地から肩ひも、ワイヤまで全て金で作っており使った金の量は352グラムだそうです。
非売品だけに価格はついていませんが、強いて言えば350万円ほどになるとの事です。
もっとも金の価値は40万円位にしかなりません。
そこで金のブラジャーの値段の内99%近くは開発費や手間賃と言う事になります。
金分がたった40万円位では「金のブラジャーを身につけて亡命」と言ってもあまり、
価値は無さそうです。
しかも、この352グラムという重さは通常のブラジャーの約10倍とか。
やはり眺めてため息をついているのが無難なのかも知れません。
金のしゃちほこ [金の歴史]
「尾張名古屋は城で持つ」と言われます。
その名古屋を象徴する物と言えば、名古屋城の天守閣を飾っている金のしゃちほこです。
しゃちほこは、火除けの呪いとして作られましたが、後に城主の権威を現すシンボルになりました。
名古屋のしゃちほこは木の芯に鉛の板を張り、その上を銅板で覆い、最後に慶長大判を延ばして作るという手が込んだ物でした。
純度は48%と高く、東海道や美濃街道からも見えたと解説書にあります。
まさに、尾張徳川家の権威を天下に輝かせていたと言えます。
ただ、残念な事に第二次世界大戦で焼失し、現在のは昭和34年10月に再建された物です。
ところで、このしゃちほこにはどのくらいの金が使われているのでしょうか。
しゃちほこは雄と雌の二体があり、使用している金の量が異なっています。
北側が雄で44.69キログラム、南側が雌で43.39キログラムの金を使っています。
雄の方が1キログラム以上重いそうです。
金箔は東京の12倍になる [金の性質]
日本の伝統文化を代表する物のひとつに石川県金沢の金箔細工があります。
ある大手の貴金属商の推定によると、この金沢で金箔として使われている金の量は年間でおよそ1.2トンに上るとの事です。
この金からどれ程の大きさの金箔が出来るのでしょうか。
金1グラムは0.1ミクロンの厚さまで延ばすことが出来ると言われています。
もし、1グラムをこの薄さまで延ばすと、およそ50センチ4方の大きさになります。
これは4グラムで丁度1平方メートルになる勘定です。
そこで、1.2トンの金を全てこの薄さにすると30万平方メートルにもなります。
また、世界の金を全て金箔にすると、2万6500平方キロメートルです。
東京都の面積は2161平方キロメートルなので約12倍を覆う事が出来る勘定です。
金の伸びる性質について [金の性質]
金は1グラムでどの程度伸びるものなのでしょうか。
金は大変細く伸ばす事が出来、最小で直径0.005ミリの線にする事が出来るといわれています。
そこで、ここまで細くした場合には長さはなんと3000メートルにもなります。
現存する世界の金の量は10万6000トンと言われています。
この線をすべて金線にすると3180億キロメートルになります。
地球と太陽の平均距離は1億4960万キロメートルなので、太陽との間を1063回も往復できる勘定です。
このように延ばしたり、広げる事を展延(てんえん)と言いますが、金は金属の中で最も展延性に優れており、工芸品によく使われる理由の一つです。
この面でも金はまさに「金属の王」に相応しい存在とも言えるでしょう。