金の伸びる性質について [金の性質]
金は1グラムでどの程度伸びるものなのでしょうか。
金は大変細く伸ばす事が出来、最小で直径0.005ミリの線にする事が出来るといわれています。
そこで、ここまで細くした場合には長さはなんと3000メートルにもなります。
現存する世界の金の量は10万6000トンと言われています。
この線をすべて金線にすると3180億キロメートルになります。
地球と太陽の平均距離は1億4960万キロメートルなので、太陽との間を1063回も往復できる勘定です。
このように延ばしたり、広げる事を展延(てんえん)と言いますが、金は金属の中で最も展延性に優れており、工芸品によく使われる理由の一つです。
この面でも金はまさに「金属の王」に相応しい存在とも言えるでしょう。
金を溶かす王水とは [金の性質]
金は、酸にもアルカリにも侵されず、錆びる事もない。
金はまさに千古不滅の金属ですが、そんな金にも大敵があります。
それが王水です。
王水は、濃硝酸に濃塩酸を混ぜて作る物です。
王水は金や白金を溶かす事ができ、溶剤としては地上最強の物です。
「これこそ水の王である」と言う所から「王水」と名付けられたとも言われています。
それにしても、金はまさに地上にある金属の王とも言える金属ですが、それを溶かせるからと王水とは実にうまく名付けたものです。
もっとも、一般には知られていませんが、王水以外にも金を溶かせる溶剤があり、青酸カリで知られるシアン化カリウムです。
価格が安い所から、金の精錬には使われていますが、環境問題を起こしやすく時々問題になります。
将来は金の生産の足かせになるかもしれません。