金は、金利を生まない [金の市場]


金価格高騰の流れを加速させたのが、2003年からスタートした金ETF(金上場投資信託)の登場である。



実物資産である金がETFという金融商品に組成されたことで流動性が高まり、オルタナティブ(代替投資)として年金基金などがポートフォリオに組み入れ始めた。



同時に、基軸通貨ドルから多極的な通貨バスケット制への移行という思惑から、各国の中央銀行が外貨準備として金の保有を増やし始めていることや、



金装飾品需要の拡大など、相場を過熱に導く要素はいくつもある。



しかし、現物の地上在庫は16万トンにすぎない。



わずかな資金流入で金相場は乱高下しかねない危うさがつきまとう。



金は、金利を生まない一種の無国籍通貨であり、社会の「不安指数」的要素を持っている。



金価格は「根拠ある高騰」から「根拠なき熱狂」の入り口にさしかかっている。



揺れる金価格 [金の価値]


金の価格はここ10年の間に6~7倍に高騰した。



ニューヨーク商品取引所が担保となる証拠金を約27%引き上げたのを受け一転して急落、31年ぶりの大幅なものとなった。



金の価格はホットマネーが支配する投機の最中にあることは間違いない。



だが、金の価格はまったく根拠なく急騰してきたわけではない。



最大の要素は、基軸通貨ドルの揺らぎであり、世界的な金融緩和である。



世界に供給された過剰なマネーは、金をはじめとする貴金属市場に流れ込んだ。



ペーパーマネーから実物資産へと「質への逃避」が生じている構図である。



この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。