金閣寺の総費用額 [金の歴史]

室町時代を代表する北山文化その象徴ともいえるのが金閣寺です。



三層の優雅な建物は繊細な日本文化の伝統を今日に伝えていますが、それ以上に心に焼き付くのが豪華な金の外壁です。



この金閣寺は足利義満によって1397年に建立されましたが、当時の建物は1950年に火災で炎上、現在の建物は昭和30年に再建されたものです。



費用は30年当時のお金で7億4000万円。



外壁に張った金の量は約20キログラムとの事です。



これを1グラム、1000円で換算すると、2000万円となります。



現在使われている金箔は通常の金箔より厚くなっています。



金箔の厚さは通常、0.1ミクロンですが現在の金閣寺は0.45~0.55ミクロンと通常の金箔の約5倍の厚さになっています。



金閣寺創建時の金箔の厚さは今に伝わっていませんが「恐らく、現在の方が厚いのでは」とは、金閣寺のある鹿苑寺の弁です。



もちろん、総費用は義満の時の方が多かったと思われますが、こと金に関しては我々は義満以上に豪華なものを眺めているのかもしれません。



紫色のもつ意味とアメシスト [宝石の歴史]


アメシストの紫という色は、古来、神聖な色として洋の東西を問わず重要に考えられてきました。



神々や聖職者の色として、キリスト教では司教の衣裳、仏教では高僧の衣に用いられます。



日本では、朝廷が独占した時代もありました。



紫が高貴な色であった事が、アメシストを高貴な宝石に高めた理由です。



特にキリスト教では、ワインがキリストの血の象徴であった事から、東洋以上に霊石としての価値を持ちました。



宝石は古代から、色において価値を求められました。



教会の宝物や、博物館の「カラーストーン」たち。



ダイヤモンドの登場で、その地位は取って代わられた感がありますが、アメシストの物語によって、古代の人々は宝石の色に何を求めていたかが分かります。



ギリシャやローマの神話に宝石物語を通じて、人々の自然の石に抱いた神秘性に思いを巡らす事ができます。



アメシストは宝石の色の原点だと言えるかもしれません。



アメシストの語源 [宝石の歴史]


アメシストの名前は、ギリシャ語の「アメチュストス」が語源と言われ、赤ぶどう酒の意味をもちます。



紫色に意味があり古代には神聖な力を持つ宝石とされてきました。



ギリシャ神話の中では「豊穣の神」「酒の神・ディオニス」の石、ローマ神話の中では「酒の神・バッカス」の石として語られています。



バッカスに愛された妖精アメシストはダイアナの嫉妬を受け、石に変えられた。バッカスは嘆き悲しみ、石になった妖精に赤ワインを注いだ。



石は瞬く間に紫色に輝く宝石に変わった、という物語。



以来、美しい紫の宝石をアメシストと呼ぶようになりました。



ギリシャやローマの時代に共通するアメシストの物語です。



現在でも、ローマのバチカン博物館の美術品中に、紫水晶で作られた聖杯や器、聖職者の為の献上品として多く見る事ができます。



この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。